住宅メーカーに勤めていたころは店長という立場で店舗の運営や部下の育成に携わっていた。
当時N君という社内で最も若い営業マンの部下を指導していた。
まあ若いと言っても30台半ばだったので、普通の会社でいけば中堅である。
営業マンにしては珍しく建築士の免許を持っており建築の知識には長けていた
のだが、とにかく話が苦手でコミュニケーションが不得意であった。
話が苦手なのは特に悪いわけではない。
ただこのN君のお客様は決まって同じ問題を抱えていた。
会議でもいつも話題になるのだが、決まって打合せの食い違いや現場のトラブル
などの問題が毎度のように起こっていた。
片やTさんという別の営業さんはほぼトラブルがゼロで打合せも和やかに進み、現場もスムーズに進行することが多かった。
人によってなぜこうも問題が偏るのか。
問題やトラブルには必ず原因が存在する。
N君の意見を聞いていると、決まって言うことがある。
お客様には言いました。
それはお客様がはっきりしてくれない。
会社がもっとこうだったら・・・
問題の原因はお客様であったり、会社であったり、決して自分は悪くない。
それはN君の問題なんじゃないの?と言ってもシブシブであまり納得の行かない様子。
そもそも問題とは自分の内側にあるものであって、決して自分の外側には無いということに気づかない限り、同じ問題が起こり続けるものである。
謙虚に人の意見に耳を傾けて、一方からだけではなく別の視点から見ることで
新たな気づきを得られるかも知れない。
言葉でいくら伝えても、受け取る気がない、
自分の意見を曲げない人には全く届く気配が無い。
洗脳を解くようなもので、自分で問題に気づき乗り越える以外に解決の手立ては無いのである。
心の成長のためには、謙虚に人の意見に耳を傾け、受け入れる柔軟さを持ち
続けたいものである。
心が成長することで、一歩上の視点から問題を眺めることが出来ると簡単に気づきを得られて、今までの問題が一瞬で解決するすることがある。
気づきは本当に大切ですね。
